クリスマスと香りのお話


                     
イエス・キリストの誕生日とされているクリスマス。そのクリスマスと香りとは、実に深い関係にあります。

新約聖書の中の”マタイによる福音書”には、イエス誕生のあらましが書かれています。それによると、イエス・キリストが生まれた時、三人の博士達が、その知らせを星の輝きで知ったといいます。三人の博士達は、早速イエスに会いに出かけます。自分たちにとって、非常に大切な人が生まれたということで、その時、贈り物を携えて行きました。それは何かというと、まずは黄金。当時から黄金は高価で貴重な物でした。王様にふさわしい物だったわけです。

さて、贈り物は黄金だけではありませんでした。黄金の他にも、2つのプレゼントがありました。ここでエッセンシャルオイルの原料植物が登場します。それが、乳香(ニュウコウ、別名フランキンセンス)と没薬(モツヤク、別名ミルラ)。聖書には、「宝の箱を開けて黄金、乳香、没薬の贈り物を捧げた」、とあります。いずれにせよ、乳香や没薬は古代において、宝石や貴金属類と同じ程、高価なものだったようです。
乳香も没薬も、カンラン科の植物です。今でも寺院などには、お香が焚かれていますが、古代でも香りは、神聖な宗教行事に欠かせないものでした。『ホリスティックアロマテラピー』(ロバート・ティスランド著)によると、古代エジプトでは、これら乳香や没薬に火をつけ、香りを焚きしめ神に祈りを捧げたようです。病気の原因は悪霊と考えられており、それを追い払うために、乳香で病人を燻したとか。また、没薬はミイラを作るのに多用したそうです。遺体の中の主要な器官を取り出した後、腹部に没薬が詰め込まれました。一説によると、没薬の別名のミルラというのは、ミイラの語源となったと言われています。

乳香のエッセンシャルオイルは粘膜に対して効果的に作用し、痰をきり、また息切れやせきを鎮める効果が期待できます。肌に対しては、引き締める作用が期待できますので、衰えた肌に有効ではないかとされています。また乳香の香りは、瞑想の助けとなると言われています。こういった理由もあって、宗教儀式に頻繁に用いられたのでしょうか。一方、没薬も、呼吸器系に効果的に作用するため、せきや気管支炎、濃い粘膜が多く出る各種症状に役立つとされています。

そして、このイエスへの贈り物という行為、それがクリスマスプレゼントの由来とされています。何千年も前から珍重されてきた、乳香と没薬。その歴史に思いを馳せながら、香りをくゆらせてみると、何か特別な感じがしてきます。

クリスマスゆかりのエッセンシャルオイルで、クリスマスを演出してみてはいかがでしょう?香り高い素敵なクリスマスになるかもしれませんね。
  

1.日本最初の香り

香りの記憶1


 



~日本最初の『香り』~


―597年4月、推古天皇の時代の淡路島に、ある漂流物が流れ着きました。

島の人々はそれを他の流木と一緒に薪として火にくべました。すると、

あたり一面にいい香りが立ち込め、慌てて火から取り出し、朝廷に

献上しました。

そうしたところ、聖徳太子がその漂流物は香木『沈香』だと判断したそうです―

この話は日本書紀に残されている、香りの伝来を記した最古の記録です。

それ以前に、538年に仏教と共に伝来したという話もありますが、

こちらは残念ながら資料には残っていません。


現存している最古の沈香は、奈良の東大寺正倉院に収められている

『黄熟香(おうじゅくこう)』です。

黄熟香は別名、「蘭奢侍(らんじゃたい)」とも呼ばれ、「猛々しく

おごった侍が必ず欲しがる」という意味がこめられています。

名前の中に「東・大・寺」の文字が隠されていることもあり、

こちらの名前の方が有名になったのだとか。


今残っている状態でも随分大きな香木ですが、昔はもっと大きかった

とされています。

この沈香は鎌倉時代以前に日本に持ち込まれたのですが、その後、

戦国時代に室町幕府八代将軍足利義政や、織田信長、明治天皇等、

様々な人に分け与えられ、今の姿になったそうです。


古来より、沈香は鎮静効果のある良薬とされてきました。そして香り

には、人をリラックスさせる力があります。

戦国の武将たちは、兜に香を焚きこめ出陣したといわれていますが、

戦場に向かう時、雑念を取り払い、精神を統一するためにはこの

ような香りが不可欠だったのでしょうね。


「らふぃーね」で取り扱う香り『サーキュエッセンス』にもこの沈香が

入っています。

あなたも心を落ち着かせ、集中したいときに使ってみませんか?







黄熟香(おうじゅくこう)
別名:蘭奢侍(らんじゃたい)
高さ156cm、最大径43cm、重さ11.6kg